第8章 ふたたびソラへ

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「これ、苦手なんだよな」 空軍パイロットにとって、空母はいつまで経っても慣れなかった。滑走距離の短さは恐怖だった。 ツカサは歯を食いしばると、エンジンスロットルを最大まで押し上げた。 背中に振動が伝わる。耳にはエンジンの爆音が轟く。 不意にカタパルトが動き始めた。機体は急加速をして空中に投げ出された。 機体の姿勢を真っ直ぐにとりつつ、機速と高度を取る。 その時、すぐ隣をメルトの機体が通り過ぎた。風圧で機体が揺れた。 「ツカサ、遅いわよ!」 「あのな、オーバーテク満載の機体と比べないでくれ」 「言い訳は聞かないわよ」 機速が十分に取れた。ツカサはメルトの鼻先をかすめて前に出た。 「危ないじゃない!」 「お互い様だ。メルトだって気流を乱しただろ」 「はいはい、すいませんね」
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