第8章 ふたたびソラへ

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エンジン出力を8割に保ちつつ、敵機の真上に接近した。 「悠然と飛んでいるな。死ぬだろうが、俺を恨むなよ」 ツカサはコックピットの中で独り言を呟いた。 操縦桿を倒した。機体は敵編隊の最後尾へ向け急降下した。 機速は既に音速を超えていた。ステルス航行と合わせれば、敵機は完全に接近を察知できない。 簡単な物理学だった。 音速を超えたら、ドップラー効果により高音のみが相手に伝わる。 高音はヒトが聞き取れない音域である。 レーダー、そして聴力からもこの機体は透明になった。 赤外線照射。まもなく護衛機1機、気化爆弾を搭載した1機を捕捉した。 敵も同時に気付いたはず。 しかしツカサが発射ボタンを押すほうが早かった。
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