第8章 ふたたびソラへ

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「メルト、敵機が直上にいるぞ!」 「レーダーには……しまった!」 いくつかのミサイルのきらめきが見えた。 メルトはバトロイドへ変形すると、全てを迎撃した。 爆煙が立ち込めた。 ファイター形態に戻ると、急加速で離脱を図った。 爆煙を敵機が突き抜けてきた。2機の距離はガンポッドの射程だった。 「避けるんだ、メルト!今行く」 「早く来てよ!もし死んだら呪うわよ」 戦闘機動のGに耐えてそこまで喋られる余裕があるなら少し安心できた。 しかし状況は悪かった。 敵の機銃弾は何度も翼をかすめていた。 1発が右の吸気口を直撃した。 機体は大きく傾き、右エンジンから薄い黒煙が延びた。 「キャァ!」 「クソッ!」
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