第8章 ふたたびソラへ

34/41
前へ
/291ページ
次へ
「クソっ!俺は投下中の爆弾を狙ってでも阻止してやる!」 その時、ツカサが回線を開いた。 「ティムリーダーだ。ここは退くべきだ」 目の端でレーダーを確認した。 敵護衛機は撤退、または撃墜され、味方の損害は無かった。 ダンの機体は高速でレーダーから外れようとしていた。 「何を言っている、ツカサ!」 「撤退も兵法の一手だ。最終戦で勝利すれば良いじゃないか。ここで命を無駄にすることは無い」 ツカサは落ち着いた声で言った。 「お前は死ぬのが怖いのか?だから……」 「当たり前じゃないか」 ダンの言葉を遮って言った。 「死ぬのが怖いから戦えるんだ。死を忘れた兵士は勇敢とは言わない。それは無謀な奴だ。決して全体の利益にはならない」
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加