第8章 ふたたびソラへ

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「お前……」 今度はCICの男性オペレーターが遮った。 「スカルツー。それ以上反論したら軍法会議だ。直ちに撤退せよ」 「……クソっ。クソッ……。全機……撤退」 声は暗かった。聞き取るのがやっとだった。 6機の機影はアスカを目指した。 その時背後で閃光がきらめいた。そして爆発音がかすかに聞こえた。 その光景を見ることは出来なかった。 「失敗か……」 「ツカサ?」 メルトが心配そうに声をかけてきた。 「この失敗が、いったいどんな影響を及ぼすのだろうか……」 「ツカサ、さっき言っていたじゃん。次があるって。私たち、全員生き残ったエースよ。きっと勝てるって!」 メルトは明るく言った。その明るさは励みになるが、一方で虚勢を張っているように思えた。
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