最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

3/51
341人が本棚に入れています
本棚に追加
/291ページ
メルト頬杖を着くと、イチゴミルクをすすった。 メルトが飛べないことはツカサにとっても問題だった。いまさら別のパートナーを与えられても信頼して飛ぶことはできなかった。 不意に、中島主任との会話の記憶がよみがえってきた。 「どんな機体でも、飛ぶ?」 「ええ、もちろん。でも、可変戦闘機〈バルキリー〉よ」 「ああ、分かっているよ。少し待っていて」 キョトンとするメルトを残して、ツカサは整備区画へ向かった。 格納庫横の整備区画は、整備士と技術者達が忙しそうに動き回っていた。 足元にはボルトとナット、ワッシャー、基盤の破片が散乱し、導線はクモの巣のように壁に張り付いていた。
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!