最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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「そ、そうね。そうする。これ、あげる」 紙パックのジュースをツカサに乱暴に押し付けると、紺のケースを胸に抱えて食堂を飛び出した。 「場所、言ってなかったな。ま、いいか。……このイチゴミルク、無いじゃないか!」 紙パックを振っても音は鳴らなかった。 暇だったから艦内を散歩することにした。 じっとしていることはできなかった。 中央区画に着いた時、研究室の扉が開け放たれていた。中には誰もいなかった。 「おいおい、混乱しすぎだろ」 ツカサの好奇心は、足を室内へと運ばせた。 研究室のガラス張りの壁からは、鳥の人が収納されているラボを見下ろすことができた。 鳥の人。 相変わらず、白骨のような風貌は不気味ささえ覚えた。その肩に一人の少女がいた。
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