最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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アリエスの声は震えていた。 『それが極秘作戦、イコノクラスム。だから、私は、AFOS、つまり鳥の人の探索を急いでいたのよ』 『国も領土も、人の命も……自分達の手に入らないものは全て破壊する。それが統合軍のやりかたさ』 銀髪のパイロットは恨みを込めて言った。 『そんな……』 サラの声はアリエスよりも震えていた。 「サラ!そんな奴らの言うことは信じるな!」 シンが叫んだ。 その時映像が揺らぎ、薄くなり始めた。そして白い光が鳥の人を包んだ。 周りにいた研究員達はそわそわと動き始めた。 「シン、鳥の人が目覚めてしまう!お願い、止めて」 「鳥の人がなんだよ。サラを奴らから救わなきゃ」 「でも、シン。……お姉ちゃん、鳥の人に滅びの歌を歌わせないために……死ぬ気だよ」 シンは目を見開いた。
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