最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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「やあ、少尉。急いでいるようだが?」 「えっと、そんなことは無いのですが。大佐、ご用でしょうか?」 「わたしのオフィスに来てくれないか?」 「ええ、分かりました」 後ろ手を組んで歩くシェパードの後を、ツカサは歩いた。 一歩ずつ歩くたびに不安が増していた。何か過ちをしたかどうか、自問自答を繰り返した。 シェパードは自らのオフィスにて、黒いイスに深く座ると写真立てを手にとって眺めた。 シェパードは落ち着いていたが、ツカサは反比例で緊張が高まっていった。 「少尉」 「はい」 「ホーン准尉を……フッたらしいな」 緊張の糸が千切れた。そして恥じらいで顔が熱くなった。 「な、なぜそのことを!」 シェパードはなおも落ち着いた目で見ていた。
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