最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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「准尉の名前を知っているか?」 「メルト・ホーン……ですが」 「ミドルネームを含めた名前は知っているか?」 「いえ、知りません」 「ふむ、ミドルネームを含めた名前は、メルト・シェパード・ホーンだ」 「シェパード……まさか!」 「ホーンとは母親の苗字だ」 「大佐は……メルトの……父親」 ツカサは恐る恐る一語ずつ搾り出した。 ミドルネームは、普通、譲り受けなかった一方の親の苗字を使う。 シェパードは長く息を吐いて、写真立てを上に向けて置いた。 写真には、小さい子どもが両親に寄り添って写っていた。背景はビックベンだった。
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