最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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「わたしはずっと仕事でな。家族を大事にできなかった。とうとう妻に別居をつきつけられた。メルトがいなければたぶん、離婚していただろう。別居が原因で苗字が変わったんだ。この艦にお互い配属になったのは全くの偶然だった。正直、わたしも驚いたさ」 ノスタルジックな雰囲気で語るシェパードは父親の目をしていた。 この事実によって、ツカサの中で全ての合点がいった。 ツカサの機密個人データを知りえたのも、ブリーフィングでメルトが逆上したのにシェパードは寛大に接したのも、イニシャルに、あえてM・Sを使っていることも、全ての因果はここにあった。 「あの、すいません」 ツカサは謝った。 「どうした?」
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