最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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「その、メルト……さんについて」 「ああ、そのことか」 シェパードは笑った。 「別にそのことを咎めるために呼んだわけではない。ただな、確認したかっただけだ。メルトの事をどう思っているのか」 真剣な父親のまなざしだった。 「メルトは……良き友であり、良き仲間です。背中を任せて、または一緒に心の底から信頼して一緒に戦える仲間です。メルトが相棒でなかったら、俺、多分死んでいました」 目をそらして離していたツカサであったが、ゆっくりとシェパードを見た。 無表情でこちらを見てくる。 「そうか……大事にしてくれるのはありがたい。その言葉を聞いてホッとしたよ」 そう言って写真に触れた。 「我が子を戦地に送り出すのは、自分の心臓を刺すよりも痛いことだ。ツカサ・ウリュウ、あの子を守ってくれ」
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