最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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「フン、いい心構えだ。発進はエドガーに聞け」 「エドガー?」 「新しい作業員だよ」 「なぜ彼が?医務室にいたはず……」 メルトが不思議そうに前を見ると、甲板の小窓から黒人の若者が手を振っていた。 「ティム小隊。準備はできたかい?」 エドガーの声が通信機から届いた。 陽気のよさそうな男だ。この状況にあっても明るいムードだった。 「こちらティムワン。エンジン出力上昇中……上昇限界」 「それじゃあ、いってらっしゃい!」 カタパルトが高速で機体を押し出した。数秒後には空の上にいた。 「見て、ツカサ。艦が……浮いている」 アスカを含め、他の艦艇も浮かび上がっていた。 「船って……浮くものなのか?」 ツカサは呟いた。 甲板からは残りの部隊が次々と発艦し、前線へと飛び立っていった。
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