最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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「ツカサ、私たちも前へ出ましょうよ」 はるか前方の前線では爆発と、ミサイルの白煙が絵画のような風景を作っていた。 「他に護衛機はいないんだ。ここにいるのも大切だよ」 「相変わらずの優等生ね」 「普通だろ……なあ、メルト」 「なあに?」 「大佐の娘だって、わざわざ隠すことなのか?」 「えぇぇぇぇ!どこでそんなことを!」 「大佐本人から」 「……あのクソ親父」 「仲が良いんだな」 「えっ、あ、うん。聞いたよね、別居の件。あれ、お母さんとお父さんの二人だけの問題だから。私はむしろお父さんのこと、好きだったし」 「いいな、親子って」 ツカサは静かに言った。 「どういうこと?」 「俺……里子でさ。本当の親のことを知らな……」 その時、CICが割り込んできた。
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