341人が本棚に入れています
本棚に追加
すでに小さくなるほど遠ざかった鳥の人を見ながら、ツカサは言った。
「見えるの?」
「見えないのか?」
「ええ」
「パイロットは目が命だ。もちろんスナイパーもな」
ツカサはメルトの揚げ足を取った。
メルトは不満を表すように、返答しなかった。
鳥の人は紫色のベールで覆われていた。そのベールの上部が膨らむと、一気に開いた。
鳥のような翼が左右に向かって伸びていく。
元の質量より遥かに大きい。空中で他の原子でも寄せ付けたのだろうか。
「デカイ!メルト、見えているか?」
「もちろんよ!外部カメラを拡大表示させているの」
「そんな機能があるのか?」
「バルキリーにはね」
最初のコメントを投稿しよう!