第1章 ツカサ・瓜生

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「ジャクソン、あんまりしゃべっていると敵が寄ってくるぞ」 ボルト大尉が忠告した。ただジャクソンの話がうるさいだけだったのかもしれない。 「リョーカイ、黙っておきます」 ツカサは小さく笑っていた。 こういう感じの隊が好きだった。しかも、それでいてエース揃い。 4機は少々離れて飛んでいる。お互いの機影は1セント硬貨に収まるくらい小さかった。 この機体、F-21 ブラックウィドゥは初め、F-22との開発競争に負けた。 しかし、戦争中に科学技術は進歩し、開発された新機構が搭載されたのがF-21だ。 エンジンノズルはロールの際、左右別々で動く。つまり、右に傾ける時は左側が下向き、右側が上へ向く。 これにより水平尾翼はなくなり、外見はデルタ翼機だった。そして従来機にない高機動を得た。
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