第1章 ツカサ・瓜生

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特筆すべきは、そのステルス性能だった。 従来は、レーダー波を吸収したり乱反射させたりする。 しかしこの機体は、自身でレーダー波を打ち消す電波を発する。 レーダー上では完全な透明人間になった。 最高の機体に最高の仲間。 ツカサは編隊飛行の最後尾から仲間の機体を見つめ、安心感が沸き起こった。 突然耳なりのような感覚を覚えた。 危険が迫った時の前兆だった。 ツカサは頭を回して辺りを確認した。しかし機影らしきものはなかった。 次にヘルメットの上部から、黒いプラスチック製の覆いを下ろして太陽をみた。 すかさず通信機の回線を開いた。 「フォーよりワンへ。敵機が太陽の中にいます!」
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