第1章 ツカサ・瓜生

8/18
前へ
/291ページ
次へ
「生き残るぞ、ツカサ」 「了解です、中尉」 ジャクソンの操る3番機は右側へ上昇した。ツカサも、エンジンの出力を上げてついて行った。 敵はレーダーに映らない。目視で確認するしかない。 振り返ると、2つの機影が向かって来ていた。 しかしまだ十分に距離がある。 ツカサは3番機に接近した。 「作戦はありますか?」 「まあな。お前が敵をひきつけて離れる。 もし、敵も二手に別れたら、一騎打ちで戦う。 逆に、どちらか一方だけに2機が群がったら、フリーな方が背後から狙い撃ちだ」 「リスクが高いですが…仕方がないですね」 敵機はどんどん迫ってくる。加速性能はこちらより上だった。 「行きます」 ツカサは、遺言になるかもしれない言葉を通信機に託した。 機体を左右に振った。 さらに敵に近いた。 コックピット内には警報が鳴り響いた。
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加