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その後、朝ご飯を食べ終わって俺達は、学校に行く事になった。
静と一緒に歩く。静は俺の横をしっかりと付いてきている。
学校までの道は、結構危ない所もあるので一人であるくのは危険だ。本当は、一人で行けるようにならないといけないのだが、まだ外を歩くのは正直怖い。杖を突きながら歩く俺の横を、静はしっかりとついて離れない。必ず俺の横で俺の様子を見ている。
見えないが、そこにいる気配は感じる。
静の息遣いも歩く靴音も、いつもの静がそこにいる。それだけで俺は幸せだった。
静は時々、俺に話し掛ける。
『足元に段差があるよ』『曲がり角だから、気をつけて』
静は俺の目の代わりを本当に良くやってくれている。確かに嬉しいと思う。しかし、たまに静が無理をしているのが分かるので、それだけは辛い。見えない目が、あの日の光景を映し出す。もう過去の事だ……忘れようと思っても忘れられない。
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