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それから数日が過ぎた。
あいかわらず静は毎日、俺の所に来て一緒に学校に行き、授業を受けて帰る――を繰り返していた。
そして今日も来ていた。俺に着替えを渡して、朝ご飯を一緒に食べる。だけど、今日は少し違う。
「静……調子悪いのか?」
「え? ……そんな事ないよ」
そう答える静だが声に元気がなく、息遣いが少し荒い気がする。
明らかに様子のおかしい静――。
「少し変だぞ」
「大丈夫だよ……雄太」
やはり声に勢いがない。いつもの感じとは違うのが分かるが、こんな時に目が見えないのは辛い。
見えれば、どんな顔をしているのか、どんな表情をしているのか、すぐに分かるのに。
静はそれ以上は喋らなくなってしまった。俺は一抹の不安を抱えながら、学校に行く事にした。
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