狭まる世界

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「純、この絵上手ね。題名をお母さんに教えて欲しいな」   画家の父、評論家の母。そんな家庭に生まれた純は幼い時から父の真似をして絵を描いていた。   「それはね、だいめーがないんだよ」   まだ幼い純は無邪気に笑って母に答えた。年齢は5歳。題名をだいめーと伸ばして話す辺りが幼さを感じさせるが、自分の意見、意思をしっかりと持っていた。   「そう……題名無いの」   母親はそう言うとその絵を持って部屋から出て行った。
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