2nd Love

2/2
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
杏奈の母が亡くなって1年以上が経ち、私たち4人は大学2年生になろうとしていた。 みんな学部が違っても相変わらず仲が良かった。 「杏奈、帰るぞ」 『うん!』 私たちも相変わらずで、伊織が常に隣にいることが当たり前だった。 『今日も伊織の家に行ってもいい?』 「別にいいよ。みんな、杏奈が来ると喜ぶし」 『ありがとう。伊織の家って何度も行きたくなるんだよね』 「まあ、俺が長男だからな!」 『伊織、理由になってないよ-!』 照れ隠しか分からないけど、伊織は私の頭をクシャッと撫でてくれた。 伊織が私にしてくれる全てが愛しくてたまらない。 誰かに愛され、誰かを愛することはとても素晴らしいことを改めて知ったよ。 『あと、伊織に話したいことがあるからさ…』 「あのことだろ?別にまだ話さなくていいぞ」 『ううん。もうそろそろ話さないといけないと思っていたからさ…』 「杏奈…。じゃあ、家に行きますよ-!」 伊織は手を差し出した。 私はその手を握り、手を繋ぎながら一緒に帰った。 伊織… あの頃まではとても幸せだったね――
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!