興味

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「え!?ちょっ……授業は!?」 「一時間ほど前に終わった」 アルバはもう一つのポケットポケットから缶コーヒー(ブラック)を取り出して飲み始める。 そんなアルバを余所にフィリアは、やってしまったと言わんばかりに右手で額を押さえながら暗い表情になる。 フィリアはこれでも風紀委員に入っている。 風紀委員、または生徒会はずば抜けて能力が高い生徒達がなるので、先生や生徒達から注目を受けている。 そのため、見本として他の生徒達よりも学園の規則は守らなければならない。 だが今回のことは担任か次の授業の先生に伝えて無いので、サボりということになってしまう。 別に風紀委員の仕事だったとあとからでも言えばサボりではなくなるのだが、その仕事中に私情で暴れた挙げ句ぶっ倒れてしまった、と言う自分にも落ち度があることなので、それを風紀委員の仕事と言い訳したくないフィリア。 基本、フィリアは真面目な性格をしているのだ。 「はぁ……」 「何のため息かは知らんけど、お前が授業を休んだ件なら担任に言っといたぞ」 「…………………はぁ?」 今度は完璧に何を言われたか分からず、押さえてた右手を離して困惑した表情でアルバをみるフィリア。 「何の因果か知らんがお前と俺は同じクラスみたいでな。お前をここに運んだあと、教室にいた担任に伝えといたんだよ。それと何故か知らんが教室入ったらいきなりお前の婚約者かなんかに攻撃されてえらい目にあったぞ。全く、最近のガキは本当キレやすくてこま…「ちょっ、ちょっと待って!!」 頭の整理がついたフィリアはアルバの話を止めた。 「なんだ?」 「なんで…そこまでしてくれるの?」 最初に思ったことがそれだった。 自分は今日会ったばかりで、それどころか一般の生徒なら死ぬかも知れない程の魔術をぶっぱなし続けた人間だ。(結果的には一発も当たってはいないが…) そんな奴にここまでしてやる道理はない、むしろ置き去りにしてもいいくらいだと思うフィリア。
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