二度目の教室

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何気なく答えているアルバに、一番の疑問を投げ掛けるフィリア。 先ほどアルバが言ったクロノス、凪と言う人物は、 生徒会長のクロノス=タイタン 風紀委員長の霧生 凪(きりゅう なぎ) のことである。 途中説明したが、この二名は特待生の中でもトップの実力があり、ギルド内でも優秀な活躍を行(おこな)っている。 また、両者共に容姿端麗で頭も(凪だけ)良い。 極めつけにこの二人は、現在世界を束ねるほどの、富、名声、実力を保持している"四大貴族"のご子息にあたるため、学園はおろか他の学園の生徒たちにも知られている。 つまりフィリアが言いたいのは、名前は知っているのはいいとして、"なぜアルバはこんなに人気があって有名な会長たちのことを親しげに呼ぶのだろうか?" 当然の疑問だ。 そしてその疑問の答えはすぐに返ってくる。 「何でって言われてもな……まぁ三年の付き合いだからな、それなりに親しくはある」 それを聞いてフィリアは予想外なことに驚いた。 てっきり入学して知り合ったのだと思ったが(入学して知り合ったとしても一ヶ月しかたってないため、名前で呼ぶには早い気がするが、まぁなんとなくこいつならありえそうだと思った)、三年も前からの知り合いだとは驚きだ。 「三年って……どうやって知り合ったのよ。」 「色々だ」 「その色々を知りたいんだけど?」 「面倒だ」 「いいから言いなさい」 「断る」 「あんたねぇ…「はいはい、もういいから教室行くぞ」 多分このまま続けたらまたフィリアにガミガミ言われる、そう判断したアルバは途中で会話を切り、階段のある扉へ歩き出した。 「あっ、ちょっと待ちなさいよ!!まだ話は終わってないわよ!!」 案の定そろそろ沸点が近かったフィリアだったが、一人歩き出したアルバの背中を追いかけた。
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