71人が本棚に入れています
本棚に追加
向かう途中にもフィリアにガミガミと言われるのかと思ったが、考えとは裏腹にアルバの横を静かについてきていた。
どうしたんだこいつ?と思っていたが、教室の前に着いてしまった。
アルバがここに来たのはこれで二度目である。
入学する前から教室にいく気がなかった為、入学式にもここへは来ておらず、フィリアが倒れたのを担任に伝える時に来たのが初めてなのだ。
正直だるいと思うアルバだが、凪に迷惑をかけるのも気が引けるので仕方なく教室のドアに手を掛けようとしたが、
「あ、あのさ…」
フィリアに声をかけられたため止まってしまった。
横にいるフィリアを見ると、何かとても不安げな顔をしている。
「ここまで来て言うのもなんだけど、やっぱり……教室入るの…嫌?」
「今さら何を言ってるんだ?」
本当に今さらのことだ。
あれだけ連れていこうとしていたのに、教室の前に来た途端、やっぱり嫌?と聞かれても遅すぎである。
「いや、あの……本当今さらなんだけど…ここに来る途中ずっと考えてた。あんたがここへ来なかった理由……あれ実は嘘なんじゃないかなって…」
は?どういうことだ?と言った表情になるアルバだが、不安げな表情のまま言葉を続けるフィリア。
「本当は誰かに嫌がらせをされているからとか、すごく大事な理由があったからとか………私、今あんたにひどいことしてるかもしれない……そう思うと、私なにやってんだろうととか考えちゃって……」
自分は本当にバカだと思ってしまうフィリア。
なんでそんなことも考えられなかったんだろう……アルバはあれだけここへ来るのを拒んでいたのだから、そういう可能性だって考えられたはずだ。
それなのに自分は感情に流され(主に激怒)、風紀委員の仕事のことしか考えず動いてしまった。
本当にバカだとフィリアは思う。
自分は"また気づかぬ内に"誰かを傷つけてしまうところだった。
今さら遅いとは思うが、このまま行かせるわけにはいかないと思い口を開こうとしたが、
最初のコメントを投稿しよう!