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「なっ、なななにっ、おっ、おお礼なんかっ、いっ、いいってんのよ!!!」
誰が見ても分かる通り、フィリアはすごく混乱している。
アルバと出会って約一週間は経つ。
呆れている顔や眠そうな顔は見てきたが、今のような…………そういう事に疎(うと)いフィリアですらドキッと胸が高鳴ってしまうような笑みを見るのは初めてだ。
「いや、心配されるのが嬉しかったからなんだか…なに顔赤くしてテンパってんだ?」
まぁそんなことはアルバには分かるわけもなく、素直に感想を述べて、見たまんまの光景をデリカシーの欠片(かけら)もなく口にした。
もちろんのこと、フィリアにそんなこと素直に言えるはずもなく、さらには心配していたと図星を突かれた上に嬉しかったなどと照れも何もなく言われたため、
「はぁ!!!だだっ誰が、しし心配ななっんて、あ赤くししてんのよ!!!べべ別にテテッパってななんかっ、うう嬉しくなないんだだからね!!!」
支離滅裂である。
「いやいや、なに言ってんのか分かんないから。てかホントに顔真っ赤だぞ、大丈夫か?」
そう言ってアルバは頭に手を置いたままフィリアと同じ身長までかがみ、そして、
ゴツン
おでことおでこをくっつけた。
「ッッッ!?!?!?!?!?℃¥◇$★¢£%◎#&☆*@§!!!!!!!!!」
もはや言語にすらなっていない。
「うわ、お前すごく熱いぞ。風邪でもひいてんじゃ「僕のフィリアに触れてんじゃねぇぇぞこの外道がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
アルバの言葉を遮り、憎悪のこもった叫びと共にアルバが立っていた場所の教室のドアが吹き飛んだ。
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