二度目の教室

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「自分の授業に毎回遅れ、その授業中の大半は寝るかゲームするかのあなたに常識云々(うんぬん)言われたくないですね、カーティス先生?」 少し痛みが引いたのか、頭を押さえ若干涙目の状態で自分の後ろにいる人物、(ローズ達の担任兼只今の授業の担当者)のカーティス先生を睨み付ける。 「やる事やってるからいいんだよそんぐらい、別に死ぬわけじゃあるまいし。あと男の涙目はキモいから止めろ」 などと教育者とは思えない発言をしているカーティス先生。 見た目は白髪のショートカットで眼鏡をかけ、紺色のスーツを着ているがネクタイをせずにボタンも止めておらず、中に着た白いカッターシャツも上の2つほどボタンを止めていないといっただらしない格好をしている。 顔自体は上の部類に入るほどいいものを持っていると思うのだが、とてつもなくやる気がないといった顔をしているため、印象的には中の上といった感じだ。 「誰のせいだと思っていますか?」 「お前が悪い」 ちょっとムカッとしたため何か言い返そうと思ったが、どちらかと言うと(八割方)自分のほうが非があるので押しとどまるローズ。 そして先ほどから黙ってこちらを観察しているアルバを再度睨み付ける。 「まぁそんなことはどうでもいいです。それよりあそこにいる愛の障害を排除するので邪魔しないで「今すぐ教室に戻るのとさっきのハリセン十割増しくらうのどっちがいい?」………今は忠告だけで済ませてあげるとしよう、だが近いうちに君に僕の愛の強さを見せてつけて見せる」 そう言ってローズは落ちた薔薇をポケットに戻し、茨の壁を消して教室に入っていった。 強気のセリフであったが、入っていく時のローズの顔は大量の冷や汗を掻いていた。  
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