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ローズが教室に入って行くのを確認したカーティス先生は、さてと、と言って左手に持っていたハリセンを肩に担ぎアルバの前まで歩いて来た。
「多分会うのはこれで二度目だろうな、入学式すら来てない問題児くん」
カーティス先生は少しおどけた感じで右手を差し出した。
「二度目で合ってますよ、カーティス?先生」
アルバも少しおどけた感じでそう言うと右手を差し出し握手を交わした。
そしてお互い何かを探るように力を込めたあと手を離した。
「疑問系で言わなくてもカーティスで合ってるから安心しろ。ちなみにフルネームはビリーフ=カーティスだ、そっちは?」
「アルヴァイン=レクシードです。自分の生徒の名前ぐらい覚えて下さいよ」
「一回しか教室に来てないうえに担任の名前覚えてないやつがなに言ってんだ。…まぁとりあえずは一旦(いったん)自己紹介をこれで終わりにするとして、お前もとりあえず教室入れ、結構目立ってっから」
カーティスが言うように、ローズがドアを蹴破った辺りから両サイドの教室の窓からたくさんの生徒達が見ていて、「終わったから席につけー!!!」と叫んでいる教師達の声も聞こえる。
どうやら教師達も止めずに見ていたようだ。
ちなみにアルバ達の教室の生徒達は、フィリアとアルバが喋っている辺りから聞き耳をたてていた(現在進行形)。
そして固まっていたフィリアはローズとアルバのやり取りの最中にアコが目を覚まさせて、教室で好奇心旺盛(おうせい)な女子たち(アコ含む)にアルバとのことで茶化されている。
「…そうですね、"今は"教室に入りましょう」
「"あぁ"、目立つのはそんなに好きじゃない」
「俺もです」
そんなやり取りをして二人は教室に入っていった。
余談ではあるが、そのあと壊れたドアをローズがカーティスに言われ直していたのは自業自得の話である。
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