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「………ここでいいだろう」
アルバとカーティスが教室を出て数分…二人は戦闘訓練で使われる訓練所へ来ていた。
訓練所は校舎の中にはなく、少し離れた場所に建てられている。
形としては野球場のようなドーム状の形をしており、天井は開閉できる仕組みになっている。
中には誰もいないため、この時間はここで授業は行われないようだ。
そのため二人は訓練所の中心辺りまで歩き、カーティスはアルバに背を向けたまま立ち止まる。
それに習いアルバも二、三メートル離れた辺りで立ち止まる。
「さて……問題児のレクシードくん」
カーティスは背を向けたままアルバに喋りかける。
「"自己紹介の続きといこうか"」
背を向けていたはずのカーティスは、いつの間にかアルバの後ろに立っていた。
そしていつ取り出したかも分からない剣をアルバの首に突き付けている。
「質問をする、正直に答えろ」
先ほどまでとは打って変わり、感情の入ってない声と表情で喋るカーティス。
しかしカーティスの纏う空気はとても冷たい殺気を放っている。
なんの感情も無く、答えなければ殺すと、ただ平淡(へいたん)にその事実だけを訴えるだけの……冷たい殺気を放っている。
その状況の中でアルバは、ただ流れに身を任せるように目だけをカーティスに向け立ち尽くしている。
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