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とはいっても、裕二の方は引く気配がないので、いい加減鬱陶しくなってきた。
「そうだな、お前が女の子に紹介しても恥ずかしくないくらいのいい男になったら、その件受けてやってもいいよ」
最低限の譲歩のようにも思えるが、裕二がいい男になるってのは正直『ありえない』ので、こう言っておけば適当なところで諦めるだろう。
「その話ほんとだな!? 嘘じゃないよな!?」
「お、おう……」
勢いよく乗り出してくる裕二。
まさかここまで豪快に食いついてくるとは思っていなかったので、俺は一瞬たじろいでしまう。
そして、裕二はそんな俺を真剣な目で見つめながら言った。
「それなら、俺が亮介の言う『いい男』になれるよう、プロデュースしてくれっ!」
……まさか、そうくるとは思わなかった。
いい男になれるようにプロデュース? 産まれてこの方彼女なんてできたことのない俺が?
嫌だと断ってもしつこく付きまとわれそうだし、ここはこいつが諦めるまで適当に付き合ってやるのが得策……かな。
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