序章 親友からのお願いです

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「新山よ、なかなか楽しそうなことをしているな」 「……比泉、怖いから気配消して背後に立たないでくれよ」  振り返ればそこには悪友、比泉紫苑(ひいずみしおん)の姿。  青海学園きっての問題児。いや、むしろ犯罪者と言っても過言ではないだろう。  同じ二年二組のクラスメートで、部活も同じ写真部。  部活については無理やり同じ部活に入れられたのだけど……  ちなみに来期の写真部部長で、先日生徒会の副会長にも就任した。  つまり、来年からは更に『生徒会』という繋がりが増えてしまうわけで、憂鬱ったらないよ。 「ところで、新山は本当に馬鹿と咲崎楓の仲を取り持つ気でいるのか?」 「んー、まあ裕二は一応友達だし、めんどくさくない範囲でなら手を貸してやろうと思ってるけど」 「……そうか」  比泉は一瞬なにかを考え込むようにして目を伏せた後、意味深に頷いてからなにも言わずに教室を去って行った。  もうすぐ昼休み終わるんだけど……ま、いいか。
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