現実

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そんなはずがない・・・ そんなはずがない・・・ そう思えば思うほど不安が大きくなった。 二人と別れて家に戻ってからも頭の中はその事で一杯やった。 冷静に考えると思い至る事がある。 親方は最近妙に結論を急ぐ傾向がある。 何をイライラしてんねやろ? そう思った事が何度かあった。 それを言うなら俺をいきなりこんな大役に任命したのも、何かに急いでいたから? そう思えない事もない。 考えてもラチが開かん。 本人に確認する訳にいかないが・・・ 何も知らないままこれからを過ごす事なんか出来ない。 頭を抱えて悩んだ。 その日、一睡も出来ずに朝を迎えた。 頭がボーっとしていたが、何故か眠気は全くなく、会社に行く事に躊躇いを覚えていた。 いつもよりも遅く会社に到着した。 いつものように席に座る。 親方はすでに会社に来ており・・・ 親方:「ワシより遅いやなんて珍しいな?」 親方は笑いながら猛に話しかけた。
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