現実

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猛:「すんません・・ ちょっと体調悪くて・・」 何してんねや・・ なんで親方の顔を見る事が出来んねや… 親方:「大丈夫か? 無理すんなよ?」 心配してくれる親方の顔は見れたが目線は合わす事ができなかった。 (そういや、確かに痩せたよな・・・) そう思うと昨日の二人の話が現実味を帯びてくる。 (何て事ないわ・・・ ちょっと忙しくて痩せただけや!!) 不安を払拭するように何度も何度も自分に言い聞かせた。 しかし、何度言い聞かせても、喉に何かが引っ掛かってるような感覚に陥り、イライラしてくる。 そんななんやろう・・・ 何とも言葉に言い表せないような日々を過ごす事になった。 数日が経ったある日の夕方、親方から一言があった。 親方:「明日から昔の友人の手伝いでな、ちょっと東に行ってくる」 猛:「え???」 親方:「会社もお前に任せとけば問題ないしな?」 猛:「そんな急に?」 親方:「前から落ち着いたら手伝ってやろうかって思ってたんや」
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