現実

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兵頭:「大分板に付いてきたやん?」 猛:「勘弁して下さい。 親方の足元にも及びませんわ」 兵頭:「いやいや、俺のが年上やのに、猛の貫禄の前やったら、随分年の差を感じるわ・・・」 猛:「貫禄て・・・・・ 必死なだけですわ」 兵頭:「何もしてやれん自分が情けなくてな? 最近、お前の【眼】を見てたら、なんや訴えかけてるみたいに感じてな?」 猛:「・・・・・」 (リョウさんには隠し通せんな・・・) ほんの数年前、二人は敵対し、対峙した。 この街で絶対的な存在であった兵頭に恐怖は感じなかった。 やけど、強さは感じとれた。 それと同時に似たような【匂い】を感じた。 あれから、兵頭に対しては一目置くようになった。 何の因果か、同じ職場で働くようになり、兵頭に対する信頼は日増しに強くなった。
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