現実

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猛:「正直、何が何なのか分からんってのはあります。 親方が入院してからの二ヶ月、会社を守る事で頭が一杯で、気が付けば二ヶ月経ってて・・ ふと、余裕が出来たら、不安が募りだして・・」 兵頭:「猛からすれば、親方の言葉を信じるしかないもんな? 不安は聞いてる俺にもある。 やけど、最近のお前見てたらな? 相談位、俺でも乗れるって毎日思ってたわ」 猛:「リョウさん・・」 猛も分かっていた。 自分にしか分からない、兵頭のふとした【眼】・・ 兵頭にも分かるのだろう・・ 猛が時折見せる【眼】の光を・・ それが悲しみを訴えてるのか? それが助けを求めてるのか・・ 同じ【何か】を共鳴できるからこそ分かる事がある。 だから、兵頭とはお互いが引き付けられたんやろうって・・ そう思う。 決して、会話が弾んでた訳ではない。 要所要所を話してるだけなのだが、全てが伝わっていた。 猛が今思う感情も全て・・
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