現実

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その業務的な口調に、イライラは募っていった。 猛:「ええから、親方と話をさせてくれんか? なあ?」 女:「その用件には対応しかねます」 猛:「あんた・・ ええ加減にせえよ? 何も分からんままに終わらせれんやろうが!」 女:「そうおっしゃられましても・・・」 女は少し感情を出して、そう発言した。 猛の気迫が伝わったのだろうか・・ 猛:「俺は親方の息子や!! 血は繋がってへんけど、実の息子なんやっ!! 証明なんか要らんやろうが!」 女:「そうおっしゃられましても・・・」 女は同じ言葉を繰り返した。 猛:「あんたと話してもラチがあかんわっ!! 今から病院に行く! もっかい病院の名前を教えてくれんか?」 女:「N病院3F総合棟です」 電話を切り、兵頭の携帯へと連絡を入れた。 仕事中やとか、そんな正論は頭から切り離されていた。
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