現実

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婦長:「高橋君、落ち着きなさい・・」 猛:「はぁはぁはぁ」 婦長:「山川さんは自分があんな状況になっても、あなたの事ばかり気にしてたの!! ねえ? 分かるでしょ? あなたもそんな気持ちを汲んであげなさい!」 猛:「親方はすぐ良くなるんやんな・・ なあ、そうやんな?」 婦長:「・・・・・・」 (どうすればいい?) 婦長は心で自問自答していた。 猛:「いつから声出せるようになるねん? 次来た時は普通にしゃべれるんやろう?」 猛の意識がここに留まっていない事は雰囲気で感じとる事が出来た。 婦長はしばらく考えた末に言葉を発した。 婦長:「高橋君。 山川さんはもう言葉は発する事は出来ないの。 身体も自由には動かせないの。 もうね? 自分の意思ではどうする事もできないの・・ それだけ重い病気に犯されているのよ?」
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