現実

35/120
前へ
/780ページ
次へ
病院を後にし、兵頭の運転する車で会社まで移動した。 猛:「リョウさん悪い・・ とてもやないが、会社に出る気分やないわ 家まで送ってくれませんか?」 強がってはいたものの、それが限界を示していると悟っていた。 力が抜け何もする気になれなかった。 兵頭:「それはええけど、親方の事もう少し詳しく教えてくれんか?」 今、猛にその事を聞くのは酷やと分かっていた。 やけど、何も分からんままザラつきを残したままにはしたくなかった。 猛:「病気の事はよう分かりません。 癌や言うてたけど、手術は成功したて・・・ 転移はない言うてました」 兵頭:「せやのになんであないな状況になったんや?」 猛:「それは分かりません。 合併症がどうの言うてましたわ」 兵頭:「合併症!?」 全ては理解出来なかったが、状況は把握できた。 猛:「リョウさん・・・ 俺、どないしたらええか分からんわ・・・」
/780ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3402人が本棚に入れています
本棚に追加