現実

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兵頭はこんなにも弱ってる猛を見た事がなかった。 彼特有の【眼】もそれを訴えかけていた。 そんな【眼】を見て、何とかしてやらんといかん・・ そんな気持ちになっていた。 兵頭:「猛・・ 俺にも詳しい状況は分からんけど・・ 俺ら二人に出来るのは、親方を元気付けてやる事やないんかな? 変な意味やないけどな・・ 諦めたら終わりやと思う。 親方が頑張ってるのに、俺らが不安を顔に出すのは論外やと思うわ・・」 猛:「リョウさん・・」 昼間、婦長に言われた言葉を思い出していた。 言葉の節は違うにせよ、同じ事を言われてるように感じた。 そして、同時に納得出来る何かが自分の中に芽生えた・・ そんな気がした。 猛:「そうっすね・・ 俺がこんな気持ちで親方に会いに行っても、ダメっすよね。 もし、親方が声出せるんやったら、大声で怒られますわ」 兵頭:「せやな。 俺もそう思うわ。 親方の為にも、心配させんと精一杯仕事して、自慢したろうや、なっ?」 猛:「・・・はい」 (リョウさんに相談して良かった) 心からそう思えた。
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