魅眼-MIGUN-

現実

病室を外し、木下に案内されるまま地下１Fへと移動した。

そこには、食堂がありこの時間帯は人もまばらであった。

木下：「時間、ホンマに大丈夫やった？」

食堂に入り、コーヒーを二つ持ってきた木下が一番最初に投げかけた言葉であった。

猛：「問題ないです」

木下：「猛君・・

今日呼び出したんは、山川さんの事をしっかり理解してもらいたいって思ったからやねん」

猛：「・・・・・はい」

ある程度の覚悟は出来ていた。
木下からその話が出なくても自分から聞き出そうって思ってたから・・

木下：「見ての通りやけどな？

山川さんは声を出す事は出来ん・・

やけど、意識・記憶はしっかりしてるんや。

少しづつ体力も筋力も奪われてきてるからね・・」

猛：「婦長さんから聞いたんですけど・・

親方の手術は成功したんでしょ？

現実として今の状態はようやく受け入れる事が出来るようになりました。

やけど・・

こないなってしもたら、成功やなんてよう言えないんやないんですか？」

鋭い視線を木下に浴びせ、猛は言葉を並べた。

その【眼】へ我の目線を合わせ木下は覚悟したような表情に変わった。