現実

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木下:「そんな簡単にはいかんよ。 経験もないし、怖いしやな・・ もう、やられるがままやったんや」 猛:「昔の話やて思って聞いてるからこれ以上は言いませんけど・・ そうやって何も言わんとやられるから、カスが付け上がるんですよ・・」 木下:「はははははっ 山川さんと同じ事を言うんやな? 見事やわ」 猛:「・・・普通やと思います。 痛いのは同じやねんから、納得いくかいかんかのどっちかやないですか」 木下:「そうやな。 その日もな、お金持ってこいって言われてな? いつものように、親の財布から金取って行ったんや。 そんな行為をしてる自分が情けない・・もうどうでもええわって思ってた頃やったわ」 猛:「・・・・」 木下:「山川さんは学校ではめちゃ有名な人でな? 有名やて言うても、悪くて有名なんやなくてな? 喧嘩が強くて有名やったんや。 俺ら後輩からしたら、全く生きてる世界が違う人って感じやったしな・・ やけど、その日たまたま通りかかった山川さんは、その不良が僕の事を絡んでるて分かるや否や止めてくれたんや ワレら何さらしてるんやっ! ってな? 相手は高校生やで? それも4人やで? 普通で考えたら、ナンボ山川さんが強いていうても・・ そう思うやん。 やけど、俺はうれしかったよ。 憧れの山川さんが目の前で俺の為に・・・・ってな?」 猛:「親父は俺のイメージ通りの人やったんやな・・ そう思いますわ」
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