現実

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木下:「ある日、病院に中学の頃同級生やった瀬田って奴が診察に来たんや。 久しぶりにあって思い出話で盛り上がった。 その時偶然山川さんの話になってね~ 瀬田はこう言ったんだ。 山川さんには助けてもらってる。あの人がこの街を守ってくれてるから、俺らは安心して会社を経営出来るんや。 その言葉を聞いて、猛烈に反省した。 それと同時に山川さんに会いたくて仕方なくなってしもたよ。 瀬田にお願いして、山川さんの連絡先を教えてもらい10年ぶりに会う事ができたんや」 猛:「それだけ期間が空いたんやったら、再会した時は、感動したんやないっすか?」 木下:「そうやな~ 俺を救ってくれた恩人やからね~ 10年ぶりに会った山川さんは一段とゴツくなってた。 ホンマにびっくりした。 やけど、しぐさ、笑顔・・ 何も変わらなかったよ。 そして・・ 心から僕の事を祝福してくれた。 それからは、頻繁に会うようになり、色んな事を学ばせてもらったよ」 猛:「親父と一緒に居たら、ホンマに勉強になりますからね。 俺もそうです。 日々勉強でしたから・・」 夢中になり、木下と話込んでしまった。 気が付けば、一時間以上も話をしていた。 さすがに木下も仕事が忙しいようで、話の途中ではあったが・・・ 木下:「まだまだ山川さんとの話はたくさんあるけど、今度本人交えて笑い話聞かせてあげるよ?」 猛:「・・・・はい」 その言葉に心が討たれた。 信じるって決めたのに、どこか無理やって諦めてる自分がいた・・ やけど、自然と出てきた言葉にそれを確信した。 【木下は全くもって諦めてはいない】 と。
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