現実

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猛は眼は開けているものの、瞳孔が開いており、虚ろな表情をしていた。 マサカズ:「はよ、これ抜いたらな・・ これ、痛いやん・・」 マサカズもまた気が動転して、アタフタしているように感じた。 兵頭:「触るなっ!! 触ったらあかんて・・」 マサカズ:「・・・・・」 猛の口元からも血が流れ、遂には目を閉じてしまっていた。 鼻息は荒く、言葉にならない言葉を繰り返しているように感じた。 兵頭:「あかんて・・ 猛あかんわ・・ 頼むから・・ なあ??」 当然の如く、猛は反応する事はなかった。 しばらくすると、救急車が大きなサイレンと共にやってきた。 そのサイレンが近づくにつれ、一人また一人と野次馬が集まってきた。 ほぼ同時にパトカーもサイレンを鳴らしてやってきた。 兵頭:「マサカズ・・ 悪いけど、唐木の事警察に話しててくれんか? 俺は猛と一緒に行くから」 マサカズ:「俺も・・俺も行かせて下さい・・」 兵頭:「唐木だけは許せんねや・・ 現場にいた俺らがしっかりと事実を伝えなどないするねん・・ 頼む・・ マサカズ」 マサカズ:「・・・・はい」
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