現実

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兵頭:「血液型なんか分からんわ・・・ せや・・咲ちゃんに聞けば・・ ちょっと待ってくれ、今連絡するから・・」 兵頭は震える手を押さえながら、咲の家へと連絡を入れた。 (頼む出てくれっ!!) 願う事はそれだけであった・・ コール5回で、咲は電話に出た。 兵頭:「咲ちゃん? 兵頭です!」 咲:「あっ、リョウさん? こんばんわ」 いつもより機嫌よくそう答えた咲。 兵頭:「咲ちゃん? 猛の血液型を教えてくれ!」 咲:「え? どしたの急に?」 兵頭:「すぐに輸血が必要なんや!! はよ教えてくれや!」 咲:「・・・・え? お兄ちゃん何かあったの?」 兵頭:「説明は後や!! 今すぐ情報が必要やねん!」 咲:「う、、、うん。 O型・・」 兵頭:「O型やな? 咲ちゃん? くわしい事は後で電話するから・・ 落ち着いて待っててくれ!」 一方的に話をし、兵頭は電話を切った。 O型と兵頭が叫ぶと同時に、隊員はO型の血液を準備し、猛へと注入していた・・ 一方、驚きの事態を聞かされた咲は唖然としていた。 (何で?何があったの? 輸血が必要!? それって重体って事やないん?? 何でなん??) 想像ほど、不安が膨らむものはない・・ 今出来る事が、兵頭からの電話を待つ事しか出来ない現実が尚更不安を煽っていた。
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