現実

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兵頭:「なあ? 血入ったら、大丈夫なんか?」 隊員:「気持ちは分かるが、少し黙っててくれ!! 今は患者に集中しなくてどうするんだっ!!」 兵頭:「分かってる・・」 隊員:「不安なんは分かる。 やけど、この患者は重体や。 一分も早く病院に連れていき、治療してあげる事が一番重要な事なんや。 分かってくれるね?」 兵頭:「・・・・ああ」 納得するしかなかった。 自分には何も出来ないからこそ・・ その言葉を受け入れるしか良策がなかったのだ。 酸素マスクを取り付けられ、痛々しい姿の猛を見つめながら兵頭もまた、今起きた出来事を思い出していた。 (あの野郎の目は確かに俺とマサカズに向けられていた・・。 猛は庇ってくれたんや・・ 俺とマサカズの事を助けてくれたんや・・) 頭を抱えて、苦しむにつれ・・ あの時、冷静さを失い、唐木に怒りを露にしてしまった自分を責めていた。 (クソッ!俺があんな事言うてしまったから、あの野郎は、キレてしもたんや・・)
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