現実

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マサカズがそんなモメ事を起こしていた時、兵頭の強烈なコブシを受け、意識を刈り取られていた唐木は、ふと空を見上げながら、現実に戻っていた。 唐木:「くっ・・・」 ふらつく身体を気力で起き上がらせ、目の前でおきている小競り合いを視線の先に捉えていた・・・。 唐木:「児玉~~!」 その叫びに、マサカズもまた視線の先に唐木を捉え、怒りがこみ上げてきた。 マサカズ:「唐木っっっ!! 貴様!! 自分が何したか分かってるんかっっっ!!」 最早、警官の事なんか吹き飛んでしまっていた。 唐木:「俺が何かしたやと? お前が無傷でそうやって吠えてる姿がイラついてしゃあないわっ!! お前ら全員殺したるからなっ」 気が狂ったように叫ぶ唐木に激高したマサカズが接近する。 そのマサカズを力づくで、取り押える里村は唐木とマサカズの間に入り、唐木をにらみ付けた。 里村:「お前、ええ加減にせえよ? クスリでキメてしもて、何を吠えてるんやっ!! 吉野、芝!! こいつ、逮捕せえやっ!!」 「は、、はい!」 若い警官の芝は、キレのいい動きで唐木を取り押え、腕を後ろに回し、手錠で止めた。 唐木:「離せやっコラっ!!」 叫ぶ唐木を傍目に吉野はマサカズへ接近し、右手をひねり込みマサカズの腕に手錠をかけた。 マサカズ:「なっっっ! 何するんじゃ、ワレっ!!」 吉野:「お前も公務執行妨害やっ!!」
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