現実

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兵頭:「とりあえず、こっちに来てから説明するから・・ 俺も猛ん所に戻ってやりたいから切るわ」 咲:「・・・・・」 プチッと電話が切れる音と共に現実へと戻された咲は、あわてふためいた。 (どうしよ・・どうしよ・・ ミナさんに連絡せな・・) 動転しながらも、ミナのポケベルを鳴らした。 電車で移動してる最中だったのであろう。 10分程で、電話が鳴り響いた。 受話器を切り、その電話が鳴るまでの間、咲は何も出来ずただじっと電話へ視線を宛がっていた・・・。 ミナ:「咲ちゃん、何か分かったの??」 不安が募っていたのは、咲だけではなく、ミナもまた同じであった。 咲:「ミナさん・・・ お兄ちゃん、やっぱり何かあったみたいなの・・ 今、病院で手術受けてるて・・」 ミナ:「・・・・・・え??」 ミナもまた、不安で全てが支配された感覚に陥っていた。 咲:「すぐ・・ すぐに病院に行かな・・」 ミナ:「病院どこ・・」 咲:「N病院・・・」 二人は単語だけを発するのが精一杯であった。 あわてて受話器を置き、降りた電車に飛び乗ったミナ・・。 通過待ちの電車の中には、仕事を終え、満足に満ち溢れたサラリーマンの姿が目立っていた・・・
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