現実

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足音に気がつき、兵頭がこちらを振り向いた。 二人は瞬時に目が合い、言葉を交わした。 兵頭:「ミナちゃん・・」 ミナ:「リョウさん・・たけしくん・・は?」 不安を顔全てで表現し、ミナは口を開いた。 兵頭:「猛は一時間前に手術室に入った。 腹部を刺されたんや・・ 昔、俺とホノカに絡んできた奴の一人に・・」 ミナ:「さ・・さ・・れた?」 疑いたくなるような言葉を聴かされ、辺りが真っ白になった。 兵頭:「すまん・・ 俺のせえなんや・・」 ミナへ向け、深々と頭を下げる兵頭を見て、我に返った。 ミナ:「リョウさんが悪いんじゃないよ・・ それより、どんな状況なの?」 冷静を装ってはいたが、不安で押し潰されそうな感覚に陥っていた・・。
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