現実

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兵頭:「詳しくは分からんねや・・・」 ミナ:「・・・・・・そう」 それ以上何も聞けなかった。 しばらくの沈黙が辺りを包み、二人は会話する事なく、対面に座り、状況を見守っていた。 しばらくの時間が経ち、廊下を走る足音が響いた。 二人同時にその方向へと振り向くと、そこには咲の姿があった。 ミナ:「さきちゃん・・・」 咲:「ミナさん・・ お兄ちゃんは?」 何も分からない状況ではあったが、今分かり得る情報を咲へと伝えた・・ 兵頭:「咲ちゃん、スマン」 咲:「はは・・ 何でリョウさんが謝るんよ?」 こんな状況に陥っても、咲は壊れる事なく、小さく笑いながら兵頭を安心させた。 咲:「大丈夫やって・・ お兄ちゃんがこんな事でやられるタマかっての」 ミナ:「さき・・ちゃん」 強がってるのが手に取るように分かった。 そんな姿がたまらなく・・ ミナは再び涙を流した。 咲:「ミナさん・・泣いたらあかんて・・・ 何を泣いてるんよ? お兄ちゃんは大丈夫やて・・」 そこが咲の限界やった。 言葉にならない程、泣き崩れたのであった。 ミナ:「咲ちゃん・・ 咲ちゃん・・・」 泣き崩れる二人を目の当たりにし、兵頭もまた胸が苦しくなった。
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