現実

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猛:「どないしたんですか、親方?」 親方:「・・・・・・」 表情を殺して親方はこちらの方向を凝視していた。 猛:「いややな、親方。 そない見やんといて下さいよ」 親方:「ワシはお前と同じ眼をもった人間を知ってる。 その人はな? みんなをまとめ上げる能力に秀でてた。 お前と初めて会った時、驚いた・・・ まさか、あの人と同じ眼を持つ奴が居たなんてな・・・」 猛:「あの人て誰ですか? 俺の知ってる人なんですか?」 親方「・・・・・・・」 親方は猛の質問に答える事なく言葉を続けた。 親方:「その人の眼を見たら大半の人間は何も出来なくなるんや。 やり合う事がバカらしくなるんやろうな・・・ それだけ、絶対的な眼をしていたんや。 いつしか、ワシらは彼の眼の事を・・・ 【魅眼】と呼ぶようになった。 人を力だけで支配するんやなく、その眼には皆の苦しみを背負う覚悟があった。」 猛:「ミガン!? なんすかそれ? ちゅうか、 そんなすごい人と俺が同じなはずあれへんやないですか・・・」
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